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島本理生おすすめ作品12選をご紹介~恋愛を直球で描写する~

一途な恋愛を描く、島本理生氏のおすすめ作品を12選ご紹介させていただきます。

2001年、「シルエット」という作品で、第44回群像新人文学賞の優秀作に選ばれて、作家デビューを果たします。

2003年、「リトル・バイ・リトル」が芥川賞候補となります。

同作で、第25回野間文芸新人賞を史上最年少の20歳で受賞します。

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島本理生おすすめ作品12選をご紹介~恋愛を直球で描写する~

その後も島本氏の作品は数々の文学賞候補に挙がり、ついに2018年「ファーストラヴ」で第159回直木賞を受賞します。

今後はもっと作風の幅を広げていき、根本的な考えは一貫していても、作品が変わるたびに、常に読者に対して新しい世界観を提示していきたいそうです。

そんな島本理生氏のおすすめの作品を12選ご紹介いたしますので、楽しんでください。

『リトル・バイ・リトル』

主人公の私と母、父違いの妹の3人家族の日常が淡々と綴られている話です。

丁寧な描写で、主人公の生活の様子が自然に浮かんできます。

ここがポイント

周りから、憐れみや、同情の目を注がれる環境でも、当の本人は案外、楽しく日々を生きていることが汲み取れます。

話すように描かれている作品です。

『ナラタージュ』

高校教師と元教え子の報われない恋を描いた話です。

現在、社会人の主人公の女性が、高校、大学時代を回想している文章で展開していきます。

ここがポイント

情緒不安定な登場人物たちを繊細な描写で表現しているので、彼らの心情も手に取るように伝わってきます。

映画化もされていて、学生時代を思い出してしまいそうな作品です。

『あなたの呼吸が止まるまで』

舞踏家の父を持つ、小学6年生の女の子の日常を突然襲った出来事の話です。

大人とのふれあいの多い生活をしているせいで、女の子は少し大人びた感覚を持ってしまいます。

ここがポイント

大人にとってはほんの些細な行動が、いくら大人びているとしても、子供には深い傷を負わせているのです。

繊細で痛々しい空気を感じる作品です。

『波打ち際の蛍』

かっての恋人によるDVで心に傷を負った女性が立ち直ろうとする話です。

自分を見失うほど、傷ついた過去は簡単には消えなくて、すくそこに幸せがあったとしても、自分を傷つけなければならないほどの苦しみを伴ってしまうのです。

ここがポイント

愛したいし、愛されたい、でも怖いという女性の心を引き裂く、相反する感情の揺れ動きが、繊細に描写されています。

かすかな希望を感じさせてくれる作品です。

『あなたの愛人の名前は』

男女の心理の機微が丁寧に描かれている6編からなる短編集です。

切なくて、余韻の残る話が繋がり、危うさや渇望といったものまでもが静謐の中に閉じ込められています。

ここがポイント

透き通るような透明感のある描き方であり、心や頭の中にスーッと入りこんでいくのが分かります。

タイトルからは想像もできない、安らぎと穏やかさが漂う作品です。

『君が降る日』

儚い恋愛を綴った3編からなる中編集です。

ここがポイント

心の深いところにある、悲しみ、喜び、優しさ、怒り等の感情が丁寧に描かれています。

事故により、恋人を失った人、5年も付き合っていたのに彼にフラれた人、友達のようにしていた彼と遠ざかってしまった人等、どれも心にズシンときてしまう話です。

切なさが煌めくような作品です。

『あられもない祈り』

かなり年上の男性との不倫を主題にしている女性の話です。

主人公である「私」は機能不全家族の中で育ち、性的トラウマを抱えて恋人や家族と不毛な関係を続けている。

そして、出会った「あなた」との関係も不毛ではあったが、次第に「私」は苦しい思いをしながら、自分を取り戻していきます。

ここがポイント

不思議な愛の形が味わえる作品です。

『真綿荘の住人たち』

真綿荘というレトロな下宿屋を舞台にした、そこに住む住人に視点をあてた5編からなる連作短編集です。

住人それぞれの恋愛模様が描かれていて、理解しがたい部分もありますが、丁寧に描かれています。

ここがポイント

個性的な恋愛をしている者、恋愛の奥義に気づく者、重い過去を背負った者等が居住して、お互い微妙な心理バランスを保ちながら生活しています。

温かく切ない思いが伝わってくる作品です。

『よだかの片思い』

生まれつき顔にアザのある24歳の大学院生の女性が、一人の男性に惹かれていく話です。

ここがポイント

女性に訪れる初めての恋心の中に、不器用で、もどかしくて、切ない片思いの気持ちが描かれています。

自分に自信は持てないけれども、好きな想いは一生懸命に表現していることが、痛いほど分かります。

温かい読後感に浸れる作品です。

『Red』

ここがポイント

2歳の子を持つ母親が友人の結婚式で元恋人と再会し、悦楽の世界へ嵌っていく話です。

夫や家庭の不満をその元恋人(不倫相手)をはけ口として、また、同じことを繰り返してしまいます。

性描写がすごくリアルに表現されていて、ドラマを観ているような感覚になってしまいます。

女性としての人生観を問われているような作品です。

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『イノセント』

美しい女性と会社経営者とカトリックの神父の3人が織りなす、それぞれの出会いが交互に描かれた話です。

複雑な生い立ちと、大切な人を失った悲しみで、人を信じられなくなってしまった女性に惹かれていく男たち。

ここがポイント

3人それぞれの視点で話は展開し、飾らない人間像がとても現実的に描かれています。

絶望の中にも救いがある作品です。

『ファーストラヴ』

父親を刺殺した娘が抱えていた心の闇が、事件と共に解き明かされていく話です。

臨床心理士の主人公によって、真相が少しづつ明らかにされていきます。

ここがポイント

両親からの愛を捧げられることなく、成長した娘、普通ではないのに、それを普通だと受け取ってしまっている娘。

当たり前のことが再認識できる作品です。

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まとめ

島本理生氏の作品はいかがでしたでしょうか。

島本氏が描く恋愛観は独特な趣があり、一歩作品の中へ足を踏み入れると、もう脱け出れなくなってしまっています。

まだ、読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。

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