読むと、力がみなぎってくる、深町秋生氏の作品10選をご紹介させていただきます。
深町氏はとにかく自宅で執筆作業をするのが苦手とのことで、執筆の一番の定位置は、大型ショッピングセンターのフードコートなのだそうです。
本人曰く、「テーブルと椅子の高さがバッチリで、無駄にだだっ広くて解放感があり、土日、祝日の昼間でもない限り、四人掛けのテーブルを悠々と独占できるから」だとのことです。
また、調子が出ないときでも、ソフトクリームやドーナツで糖分が補給出来たり、買い物もできて、一石二鳥なのだそうです。
深町秋生おすすめ10選をご紹介~ミステリーに新たな旋風~
2005年に「果てしなき渇き」という作品で本格的作家デビューを果たし、それまで勤めていた、製薬会社を辞めて専業作家となります。
また小説のみならず、新聞や雑誌に映画評を発表したり、地元テレビのサイト上にてコミック評論なども手掛けています。
そんな深町秋生氏のおすすめの作品10選を刊行順にご紹介させていただきますので、どうぞお楽しみください。
1、《果てしなき渇き》上・下
失踪した娘の加奈子を元刑事だった父親の藤島が、その行方を追う話です。
娘の友人、不良グループ、ヤクザなど、様々な相手の話から娘、加奈子の信じられない悪行が浮かびあがってくるのです。
ここがポイント
誰もが持っているはずの真っ当な人格が、無情にも壊れていく様を見せつけられてしまいます。
満足度の高いノワール作品です。
2、《ダブル》
弟と元恋人の仇を討つために顔も声も変えて、古巣の犯罪組織に乗り込み、復讐を果たそうとする兄の話です。
アクション映画のような迫力に終始圧倒され、どれだけの銃弾が飛び交ったのか、想像もつかなくなります。
復讐の為だけに信念を燃やし、元犯罪組織に挑んでいく主人公の姿に、熱いものを感じてしまいます。
ここがポイント
スピード感と爽快感に浸れる作品です。
3、《アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子》
組織犯罪対策課、八神瑛子シリーズ第一弾であり、とあるヤクザの親分の娘が殺された件で、刑事の八神に犯人を組に引き渡すよう依頼がくる話です。
ここがポイント
美人なのに暴力を躊躇わず、金で同僚を飼いならし、時には悪党とも手を結ぶ、そんな八神瑛子が活躍します。
警察組織の何かを暴こうとしているのか、手に汗握るスリリングな展開やスピード感あふれるシーンの連続です。
痛快きわまりない展開が、楽しめる作品です。
4、《ダウン・バイ・ロー》
衰退を続ける山形の地方都市に倦く女子高生の響子の目の前で、幼馴染の遥が電車に飛び込み自殺をするところから話は始まっていきます。
それ以来、響子の耳には、死んだ遥の悲痛な囁きが聞こえてくるのです。
そして自殺の真相を知るために、響子は動き始めるのです。
序盤は母親からの暴力とか、響子の荒んだ精神構造が描かれていて、中盤から終盤にかけては響子が様々な事件に巻き込まれていく様が描かれています。
ここがポイント
響子の心の強靭さに、感服してしまう作品です。
5、《バッドカンパニー》
表向きは人材派遣会社の看板を掲げながらも、元自衛官や元警官を契約先に送り込む、実質的には民間軍事会社の話です。
会社の名前はNASであり、美人で高学歴のやり手の女社長、野宮綾子が経営しているのです。
そんなNASの社員たちを題材にした7編からなる連作短編集です。
ここがポイント
金さえ積まれれば、なんでもやってしまう会社であり、やり方は無茶苦茶ですが、登場人物たちのキャラが面白く描かれているので、楽しめます。
変化に富んだ展開が、楽しめる作品です。
6、《卑怯者の流儀》
警視庁の悪徳刑事が請け負う、黒い依頼をテーマにした6編からなる連作短編集です。
ヤクザを始め、黒い連中から依頼を受けてはその金で風俗、キャバクラ通いをしてしまう刑事の米沢。
しかしなぜか憎めない、過去に遭遇した何かが、この男を別の人格に変えてしまったようです。
ここがポイント
シリアス感とコミカル感が程よい加減にマッチしていて、かなり楽しめる作品です。
7、《ドッグ・メーカー 警視庁人事一課監察係 黒滝誠治》
警察内部の腐敗を追及する監察係に抜擢された、ドッグ・メーカーこと黒崎誠治の話です。
ここがポイント
汚職刑事にも引けを取らない捜査手法で、巨悪に挑んでいく息もつかせない展開が見ものです。
悪い奴がたくさん出てきて、最後の最後までどんでん返しの繰り返しです。
毒をもって毒を制する、そんな言葉がピッタリの作品です。
8、《地獄の犬たち》
暴力団の組員になって、潜入捜査をする警察官の話です。
ここがポイント
掟に従いながら揺らぐ主人公の心情も抜かりなく描かれていて、極悪ヤクザなのに魅力的に感じてしまいます。
なりふり構わず己の覚悟に従って生きる姿は、カッコ良くもあり、何故か愚かにも見えてしまいます。
死闘の熱さが、際立っていて、何故か興奮してしまう作品です。
9、《死は望むところ》
武装犯罪組織に恋人や部下を殺された、刑事たちの復讐バイオレンスアクションです。
次々に展開される壮絶なアクションシーンに、ついていけない程、目まぐるしい流れで物語は進んでいきます。
ここがポイント
仲間を失った哀しみに心が傷めつけられても、そんなことを忘れるかのように、復讐心全開で刑事たちは挑んでいくのです。
血まみれの暗黒警察作品です。
10、《インジョーカー》
上野署組織犯罪対策課の八神瑛子が、帰ってきたのです。
ここがポイント
ヤクザの抗争に中国マフィアが絡むその展開の中、八神が今回も派手に暴れてくれます。
先が読めない早い展開に、翻弄されながらも、面白く目が離せなくなります。
安定した面白さがある、期待を裏切らない楽しめる作品です。
まとめ
深町秋生氏の作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。
深町氏の作品は読んでいると、力が入ってしまいますよね。
まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に是非読んでみて下さい。
厭なことも忘れてスカットした気分に浸れますよ。