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五木寛之おすすめ作品13選をご紹介~連続性の中で生きること~

多作で有名な作家、五木寛之氏のおすすめの作品13選をご紹介させていただきます。

1932年福岡県に生まれ、早稲田大学に進むのですが、中退し、業界紙の編集、広告代理店勤務、コマーシャルソングの作詞などを手掛け、職を転々としつつも、ソ連や北欧を訪れています。

そしてその見聞をもとに、1966年に執筆した「さらばモスクワ愚連隊」という作品で、作家デビューを果し、小説現代の新人賞を受賞します。

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五木寛之おすすめ作品13選をご紹介~連続性の中で生きること~

翌1967年には、現代青年の虚無や不安をロマネスクな構成と、スピード感のある明晰な文体で描いた「蒼ざめた馬を見よ」という作品で、第56回の直木賞を受賞します。

1969年から12部24巻の構想で書き始めた「青春の門」という作品で、人気作家としての地位を揺るぎ無いものにします。

また1981年から執筆活動を一時休止して、龍谷大学の聴講生となり、仏教史を学び、蓮如による講の組織などに関心を寄せています。

そんな五木寛之氏のおすすめの作品13選を、ご紹介させていただきますので、お楽しみ下さい。

1、『蒼ざめた馬を見よ』

五木氏の直木賞受賞となった表題作を含む、5作を収録した短編集です。

ロシア(ソ連)の老作家が書いたという小説を入手するために、元新聞記者が、冷戦下のロシア(当時はソビエト連邦)へ飛び、政府の監視をかいくぐりつつ、無事にその老作家に出逢えることができるのか。

ここがポイント

さらにその痛烈な体制批判のことが書かれた小説を入手して、無事に帰国することができるのかが見ものとなります。

胸躍るサスペンスでありながら、待ち構える結末まで、スピーディであり、とても楽しむことができます。

併録された、ほかの話も、ロシアへの深い想いが詰まった印象的な作品ばかりです。

2、『青春の門 筑豊編』

主人公である伊吹信介の幼少期から高校卒業までを描いた物語であり、当時の筑豊という特殊な土地で、生きる人々の姿や、生活が伝わってきます。

常に自分の背後についてまわる亡くなった父親の存在、残された周りの人々との関りから、男であれば誰でも分かるであろう思春期特有の悩みや、葛藤など様々な経験をして、信介は男として、そして一人の人間として成長していくのです。

ここがポイント

人間味溢れる登場人物たちの言葉や行動一つひとつに、うわべだけではない深い想いと、生命が込められていることが強く感じられて、グイグイと物語に引き込まれてしまいます。

五木氏の圧倒的な筆力が味わえる作品です。

3、『カモメのジョナサン』

多くのカモメが生きることだけを目的としていく中で、ジョナサンは生きることに加え、飛ぶことを目的として、自分の限界に挑んでいくのです。

その結果、ジョナサンは群れの中で孤立し、追放されてしまうのですが、少数ながら同じ生き方を選択した仲間もいたのですが・・・。

群れの中の窮屈な掟や、因習を無視して、飛行技術と飛行速度の向上を探求し続けるジョナサン、やがて彼は、誰も到達できなかった境地、限界突破の超絶スピード曲芸飛行技術を習得してしまうのです。

ここがポイント

集団でいることは、確かに居心地がよく、安心できるのですが、一方、そこから一つ道を外れてみると、何が正しいのか、自分の選択肢が合っているのか、不安に駆られ、彷徨ってしまうこともあるのです。

生きる意味を考えさせられる作品です。

4、『風の王国』

かつて存在していた、流浪民である「サンカ」を題材にした伝奇小説です。

日本にも存在していたという、山の民でも、海の民でもない、定住して耕作することをしない流浪の民であるサンカ、その系譜を継ぐ者たちが、現代社会とどう向き合って生きるのかというテーマで物語は展開していきます。

国という枠に縛られず、一か所に定着せずに暮らすこと、お互いに助け合って暮らす人々は、極小民族であっただろうし、権力者から見れば、邪魔な存在だったと思います。

ここがポイント

歴史の闇に埋もれた一族を描き、日本史の暗部にスポットライトをあてた作品です。

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5、『蓮如 われ深き淵より』

39歳の本願寺の部屋住みの頃から、57歳で越前吉崎に向かう頃までの蓮如が描かれている戯曲です。

現在では本願寺と云えば、浄土真宗の本山として名高いのですが、15世紀の中興までは、浄土宗の一派に過ぎなかったのです。

開祖である親鸞聖人(1262年入滅)があまりにも偉大であったため、これが誤解を招いてしまうのです。

現在のように一般庶民の教団として慕われるようになったのは、蓮如上人から始まると言っても過言ではありません。

その当時の世の中は、戦国の荒れた時代であり、都では死体が累々と横たわり、秩序などなかったのです。

ここがポイント

施餓鬼や無縁仏の埋葬をすることにより、親鸞の教えを自分の言葉にしての文章である、「ふみ」を書くことに重きを置いた理由や、妻への精神的依存、念仏宗の有様などが、主に描写されています。

宗教に対して持っていたイメージを根本から考え直させてくれそうな作品です。

6、『大河の一滴』

究極のマイナス思考からの生き方が綴られており、なんだか生き方が楽になる話が詰まっています。

物事の一面だけを見て、良し悪しを判断するのではなく、眼に見えない背景も含めて、総合的に捉えることの大切さや、プラスの面だけではなく、一見マイナスに見えるものの中にも、存在価値があり、それらをすべて受け入れる寛容さが示されています。

ここがポイント

楽観的でもなく、悲観的でもない、大自然の中の一人の人間として、あるがままを受け入れる姿勢こそが、素晴らしいのです。

人生に戸惑いが生じたり、行き詰った時などに読むと、心が軽くなるような気分にしてくれるのです。

物事の本質を見抜くヒントがたくさん詰まった作品です。

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7、『他力』

仏教の知見を活かした100の現代を生き抜くヒントが綴られています。

自分が本当に努力したからこそ、多くの偶然や他人からの支援もあり、決して自分だけでは実現できないことでも、出来ることもあるのです。

五木氏が自身の体験をもって、長年思索してきた過程をたどることで、自分が表層的、或いは誤って理解していた言葉の意味などもあらためて、気付かせてくれます。

ここがポイント

陥りがちな自己責任を負うという考え方に、異なる視点を与えてくれる作品です。

8、『運命の足音』

五木氏自身の生い立ちを絡めて、どうにもならない運命というものを語っている話です。

日本が第二次世界大戦に敗れた昭和20年、12歳であった五木氏は植民地を支配していた朝鮮半島北部の平壌で、敗戦国の国民となり、ソ連軍に追い立てられるのです。

ソ連軍の暴行や略奪に、教師であった父は抵抗する術ももたず、また、それを期に病でふせっていた母が、死へと旅立ってしまうのです。

どんなに科学や医学が進歩しても、人間にはどうしても避けて通れないことがあるのです。

ここがポイント

生老病死、その運命をどのように受け止めていくのかが、その人それぞれの生き方、生き様に繋がるのです。

自分はこの世界にたった一人だけであり、二つとない貴重なものであることが、分かる作品です。

9、『私訳 歎異抄』

歎異抄は、鎌倉時代後期に親鸞の弟子であった河和田の唯円によって書かれたものであり、本書はそれを五木氏が現代語訳して、親鸞の教えを分かり易く解説したものです。

親鸞の滅後、親鸞の思想が誤って理解され、広まっていることを嘆いた弟子の唯円が、自分が親鸞から直接聞いた言説をまとめたものです。

ここがポイント

阿弥陀仏に帰依し、その約束を信じると決意したら、罪を犯したものも、臨終に念仏ができなくても、速やかに往生できるのです。

辛い境遇にある、庶民にとって、「信じて念仏を唱えれば極楽浄土にいける」という教えは、大変救いになったであろうと思いますが、悪人正機説については、背筋が正されるような思いになります。

全体的に厳粛な文章なれども、五木氏らしく、まろやかさが味わえる作品です。

10、『親鸞』上・下

浄土信仰を哲学化し、完成させた親鸞の波乱に富んだ生まれてから、29歳ころまでが描かれています。

ここがポイント

宗教という厳かなテーマですが、五木氏は史実にとらわれることなく、親鸞の周りに魅力的な人物を配置して、伝奇小説的な楽しさも与えてくれています。

父が出家し、母も亡くなった為、忠範(親鸞の幼名)は、弟二人と共に伯父の家にやっかいになるのですが、心の内は鬱屈だったようです。

やがて忠範は貧しい河原者たちと知り合い、その生活に惹かれてしまうのです。

月日が流れ、12歳で比叡山に入り、堂僧として修業を続け、19歳の時、法然上人と出会い、念仏に目覚め越後に流されるまでが描かれています。

この後、激動篇、完結篇とまだまだ、親鸞聖人の長い物語は続くのです。

11、『孤独のすすめ 人生後半の生き方』

人生の後半からの生き方について、五木氏自身の体験談を交えつつ、老いに抗わず、等身大に受け止め、工夫して楽しむことが綴られています。

誰もが年老いていく中で、悲観的、批判的に生きるよりも、昔の思い出を回想して、懐かしんでみたり、日常の何気ない行動を楽しくなるように考えてみたり、ゆっくりと老齢期を過ごすことを提唱しています。

一方に日本では超高齢化と少子化社会が進み、元気な老人も増えるとなれば、若い人から蔑まされて、嫌老になることは避けられなくなるのです。

ここがポイント

孤独になってみることで、等身大の自分自身を明らかに観ることができる、つまり諦めることが大事であると説いているのです。

12、『人生の目的』

家族、宗教、様々な絆の話を交えながら、人生について語られています。

人生の目的とは、自分の人生の目的を見つけることであり、自分だけの生きる意味を探すことなのです。

そして人生の目的の第一歩は、生きることであり、運命と宿命を知り、それを受容して、なお生きていくことなのです。

ここがポイント

人生は思うままにならないことが多いけれども、生き続けなければ、人生の目的にたどりつけないのです。

自分の生き様に照らして、決して決めつけない、あるべき姿を問いかけている作品です。

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13、『雨の日には車をみがいて』

1960年代から90年代にかけて、主人公の車の遍歴と共に、当時の恋愛模様を描いた9編からなる連作短編集です。

連作短編という形をとり、それぞれ思い出に残る車と、女性が出てくるのですが、そこに描かれている車が本当に魅力的であり、五木氏の車好きが伺えます。

ここがポイント

また車との出会いと別れに、女性を絡めて描いているのですが、どの女性も本当に個性的であり、女性のいろいろな側面が見れて楽しめます。

昭和をイメージさせるレトロな空気感が全体に合って、昭和の時代に浸ることができ、くだけた五木氏の一面も感じ取れる作品です。

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まとめ

五木寛之氏の作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

巨匠の作品は奥が深いことが分かります。

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