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永井路子おすすめ作品8選をご紹介~独自の観点で歴史を描写~

説得力のある文章で魅了する、永井路子氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学卒業後の1949年に小学館に入社し、「女学生の友」や「マドモアゼル」等の編集に関わりながら、執筆を開始します。

司馬遼太郎氏や黒岩重吾氏らの同人誌である『近代説話』に参加し、1964年に「炎環」という作品で第52回の直木賞を受賞します。

古代から中世にかけて歴史の影に甘んじた人々、とりわけ女性に焦点をあてた作品を執筆しています。

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永井路子おすすめ作品8選をご紹介~独自の観点で歴史を描写~

1995年には、戦後50年を期して、歴史小説の断筆を宣言し、1998年に寄贈した蔵書を中核資料とした、「古河文学館」を茨城県古河市に開館します。

また永井路子氏が結婚するまで20年間過ごした旧宅は、江戸時代の末期に建てられた古い蔵造りの建物であり、古河文学館の別館という扱いで、無料で公開されています。

永井氏の幼少期から青春時代の写真の他、永井氏の経歴を紹介するパネルなどが展示されていて、永井路子ファンには必見です。

そんな永井路子氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。

1、『炎環』

主人公の異なる4つの短編が収められていて、鎌倉武士の生き様を見事に浮き彫りにした話がつづられています。

登場人物のくすぶり続けた野心、屈折した忠誠心、姉妹愛に潜む嫉妬、秘めた見限りなどの世界が描かれています。

そして、そのどれもが、どうしても消せなかった種火であり、歴史おも動かす炎にもなっていったのです。

ここがポイント

味方でさえ、瞬時に敵となり、あっと言う間に物事が葬られていく様は、まるで舞い上がる深紅の念と、紺碧の海の深さが浮かび上がってくるようです。

歴史のうねりを感じてしまう作品です。

文藝春秋
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2、『北条政子』

伊豆の豪族であった北条時政の娘に生まれ、流人である源頼朝に遅い恋をした北条政子の話です。

政子は権力を握る為、手段をいとわず、実子の頼家と実朝殺害の黒幕などと言われ、悪女のイメージを持たれています。

しかし現代の価値観をあてはめられないとはいえ、人間である以上変わらない普遍的なものもあるはずであり、権力者と言えど、我がお腹を痛めて生んだ子を愛さない母親など、いるのだろうかと思ってしまいます。

ここがポイント

政子は平家全盛時に実家の反対を押し切り、駆け落ち同然で頼朝と結婚した女性であり、むしろ人一倍、愛情が深い女性であったのです。

物語に翻弄されつつも、政子の豊かな人間性と業を描いた名作です。

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3、『歴史をさわがせた女たち 日本篇』

日本の歴史上、有名な女性を三十三人取り上げて、確かな史実とユーモアを取り混ぜて綴った、女性だけの日本史です。

卑弥呼、静御前、淀君などの有名な女性から、丹後局、阿野兼子など、比較的知名度の低い女性までが紹介されています。

ここがポイント

歴史に登場する女性たちが、どれほど嫉妬深かったか、どれほど毒親だったか、またどれほど男前だったかを永井氏の目線で描かれています。

神話と確実な過去とされている境目の時代から、江戸時代までを網羅していて、かなり楽しめます。

いつの世も、女性は強いと感じてしまいます。

4、『流星-お市の方』上・下

お市は激動の戦国時代に、織田信長という風雲児の妹に生まれたがため、さらにはその比類なき美貌ゆえに、激しく厳しい運命を生きていく話です。

近隣の国々を切り従えて、天下を狙う兄の信長と、その兄と対決せざるを得ない最愛の夫である朝井長政との日々加速する抗争の狭間に身を置き、お市は苦悩に満ちた生涯の一歩を踏み出していくのです。

ここがポイント

また実家と婚家の架け橋でもあり、人質でもあり、スパイでもあり、外交官でもあるという戦国の姫君の生き方を全うしていくのです。

綺麗事では終わらない男女の仲や、夫婦であるがための愛憎の深さ等、人間の心の複雑さおも、丁寧に描いているので、登場人物たちが、生身の人間として身近に感じられる作品です。

5、『この世をば』上・下

平安時代の貴族社会を舞台に、「大鏡」のエピソードをふんだんに盛り込んで、御堂関白、藤原道長の生涯を描いた話です。

藤原道長の半生が分かり易い文体で綴られていて、当時の価値観や生活が映像のように蘇ってきます。

三男に生まれたにも関わらず、道長は兄たちの死により、一躍、表舞台へと躍り出て、頭角を現していきます。

ここがポイント

身分と家族を得て、少しずつ、どっしりとしていく道長と、目まぐるしく起きる出来事が、分かり易く書かれています。

人間味溢れる、平凡な男としての藤原道長を描き出し、平安貴族社会を見事に活写している歴史長編作品です。

6、『雲と風と-伝教大師最澄の生涯』

比叡山延暦寺を創建し、天台宗の開祖となり、仏教の本質を求め続けた最澄の生涯を描いた話です。

政治の舞台が奈良から京都へと変遷していった平安時代の初期、仏教も変貌を遂げようとしていたのです。

最澄はストイックなあまり、真っ正直すぎて、融通が利かないのがまた、魅力なのですが、そのせいで上手く世を渡っていけなかったのです。

ここがポイント

折角、学んだ天台仏教も、空海が本格的にもたらした密教に、押されてしまい、結局、歴史に翻弄される形で、最澄は生涯を終えてしまうのです。

日本史上での仏教の有様が感じられる、味わい深い作品です。

7、『美貌の女帝』

持統天皇の孫である、元正天皇の波乱の生涯を描いた話です。

蘇我系の母から生まれた、天皇を立位させて、血脈を絶やさぬことが、蘇我系に生まれた女性の宿命とばかりに、政策を巡らし対抗する藤原不比等、聖武天皇と静かながらも、ドロドロとした政争を繰り広げていくのです。

ここがポイント

この凄まじいまでの世界を、史上ただ一人、女帝から女帝に皇位継承された未婚の美貌の女帝が、毅然して乗り切っていくのです。

飛鳥・奈良時代の蘇我系の女帝たちと、藤原氏の政争と駆け引きが、絶妙に描かれている作品です。

8、『姫の戦国』上・下

京の公家である中御門家の姫であり、駿河の守護大名の今川氏親の正室で、義元の母である悠姫(寿桂尼)が主人公の話です。

公家から武家の人間となった戸惑いや、嫁姑問題、夫である氏親の女性問題など、普通にありがちな女性らしい悩みに振り回されていきます。

ここがポイント

しかし、逞しい戦国大名の妻、母、祖母として、凛としながらも公家の姫として育てられた下地を覗かせつつ、気丈に生きる姿を中心に、政治的な戦いに挑んでいくのです。

武田信玄の父を受け入れたこととか、後の徳川家康とのやり取りとかの場面が、特に楽しませてくれます。

寿桂尼がのちに、「女戦国大名」と言われるのも納得できる作品です。

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まとめ

永井路子氏のおすすめの作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。

女性目線で、歴史上の女性を捉えた作品を多く執筆されています。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

また別の世界の歴史が発見できるかも知れませんよ。

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