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柴田よしきおすすめ作品9選をご紹介~日常の向こう側を描く~

多彩なジャンルを描き分ける、柴田よしき氏のおすすめの作品9選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、被服会社、病院、出版社などに勤め、結婚そして出産を機に退社し、子育ての傍らに執筆活動を始めます。

そして1995年に「RIKO-女神の永遠」という作品で、第15回横溝正史賞(現在の横溝正史ミステリ大賞)を受賞し、作家デビューを果します。

この作品の主人公である、女性刑事、村上緑子は従来の女性刑事のイメージを一新したキャラクターとして人気を集めました。

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柴田よしきおすすめ作品9選をご紹介~日常の向こう側を描く~

また、京都を舞台にした壮大なスケールで展開する伝記小説の「炎都」シリーズや、猫を主人公にした猫好き必読の本格推理小説「猫探偵正太郎」シリーズ、保育園の園長が実は探偵という「花咲慎一郎」シリーズなど、ジャンルを超えて、意欲的なエンターテインメント作品を発表し続けています。

2013年「激流」という作品がベストセラーとなり、NHKのドラマ10にてドラマ化されています。

近年は時代小説も手掛け、その多才さにますます磨きがかかっています。

そんな柴田よしき氏ののおすすめの作品を9選ご紹介いたしますのでお楽しみください。

1、『RIKO-女神の永遠-』

RIKOシリーズの第一弾であり、なんと男が男に犯され、殺されていくレイプ事件の話です。

縦社会であり、男社会の代表ともいえる警察組織の中で、健気に奮闘する女刑事、村上緑子が事件に挑んでいきます。

彼女が追うのはレイプビデオの流失とそれに関連した殺人事件であり、その事件を追う中で、主人公である緑子の女性という立場や恋愛・性愛といった様々な要素が色濃く出てきます。

ここがポイント

男たちに翻弄されながらも、生きてきた緑子が逆に手玉に取り出すところから、緑子の魅力に取り付かれてしまいます。

女性版ハードボイルド作品です。

2、『聖母の深き淵』

RIKOシリーズの第二弾であり、母親となった緑子が、前作とは違った強さと弱さで複雑な事件を追っていく話です。

接点がないと思われた3つの事件が繋がっていき、哀しい真実にたどり着いてしまいます。

あの麻生と山内との絡みもあり、ジェンダー・母性と考えさせられるテーマでかなり読み応えがあります。

警察官、母、女と様々な姿を見せながら、奔走する緑子の姿は美しく、でも彼女は自分の弱さを知っていて、それだからこそ、強くなれるのです。

ここがポイント

ラストの描写の切なさが心に響く作品です。

3、『月神の浅き夢』

RIKOシリーズの第二弾であり、若い男性の刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生する話です。

緑子は最後の事件のつもりでこの捜査を引き受けるのですが、人間の業を全身で受け止めなければならない、過酷な捜査だったのです。

地道な捜査を積み重ねた結果、追いかけるべき対象が、浮かんでくるにつれ、追う者、追われる者双方の暗く重い過去が、明らかになってくるのです。

ここがポイント

心のバランスを崩して、境界線を越えてしまった者、ギリギリのところで耐えている者、共に心身が穢れていなかった過去に戻ることは不可能なのです。

色々な負の要素がてんこ盛りで凄いのですが、何故か読みたくなる不思議な魅力に溢れた作品です。

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4、『少女たちがいた街』

1975年と1995年の二部構成になっていて、前半はロック好きな女子高生の友情と恋愛を、後半は前半に起こった事件の真相解明の話が描かれています。

既に時効となった21年前の事件について、何を思ったのか、一人の刑事が真相を追究し始めていくのです。

前半の青春ぽい話から、後半で一気にミステリー変わっていく様はその組立自体が実に絶妙であり、目が離せなくなってしまいます。

70年代の渋谷、ロック喫茶、今から思えばその少し古い感じが、なんだか新鮮に思えてくるのです。

ここがポイント

時代が違えども、高校生の考えることはあまり根本的には変わっていないように思える作品です。

5、『フォー・ディア・ライフ』

花咲慎一郎シリーズの第一弾であり、元刑事で現在無認可保育園の園長兼私立探偵が主人公花咲慎一郎なのです。

新宿2丁目を舞台に花咲慎一郎、通称、ハナちゃんが、繰り広げられる事件の数々を解決していきます。

無認可保育園に子供たちを預けるしかない女たちと、彼女たちを巡ってのいくつかのストーリーが事細かに描かれています。

異国の地からやって来た、立場の弱いお母さんの痛みを理解したり、子どもたちの為に奔走したりして、自らの過去と向き合っていきます。

ここがポイント

二つの顔を持つハナちゃんが、裏社会に生きる男と女の欲望の海に立ち向かっていく作品です。

6、『炎都―City Inferno 

炎都シリーズの第一弾であり、1000年の古都であり、魔都である京都に妖怪が蘇る壮大な物語です。

ミステリーかと思いきや、伝記ホラーであり、パニックものでもあります。

1000年も昔の妖姫、紅姫の怨念、一条帝への執着という愛が京都の街を炎に包んでいったのです。

京都に現れた妖怪のせいで、体液を吸われミイラのようになった人たちや食べられてしまった人たちの姿が、無残にも描かれています。

ここがポイント

サバイバルアクションのみならず、時空を超えた恋物語も見逃すことができない作品です。

7、『ふたたびの虹』

ばんざい屋シリーズの第一弾であり、東京、丸の内の小料理屋「ばんざい屋」の女将が、店の常連客達が関わる謎を解決していく7編からなる連作短編集です。

「ばんざい屋」には、いろんな客が訪れ、それぞれが、持ち込んだ謎を女将が見事に解決していくのです。

しかし、女将自身にも謎があり、その謎が何なのか、女将とイイ感じになりつつある古道具屋の店主、清水との関係はどうなるのか等、興味津々な内容で目が離せません。

ここがポイント

料理と謎と恋愛模様が楽しめる贅沢な作品です。

8、『聖なる黒夜』上・下

麻生龍太郎シリーズの第一弾であり、新宿を縄張りにしているヤクザの幹部が、ホテルの浴室で殺されたことから始まる話です。

かなりの長編ですが、長さが気にならない面白さがあり、想像を超える世界に驚いてしまいます。

ここがポイント

またミステリーとしても十分に読み応えがあり、それ以上に歪な愛憎描写が作り上げる濃密な世界観に圧倒されてしまいます。

ヤクザ世界の話なので、共感できるかと言えば、難しいのですが、同性愛が描かれている点で、読む人を選ぶかもしれません。

心理描写の細やかさや深さが、この作品を確かな人間ドラマに仕立てています。

今までに類をみない、作品です。

9、『激流』上・下

中学の修学旅行中の京都で消息を絶った一人の女生徒から、20年後、その当時一緒に行動していた6人の仲間にメールが送られてくる話です。

消息を絶った女生徒の冬葉は今どこかにいるのだろうか?それを機に当時行動を共にしていた班のメンバーが集まり、冬葉の失踪の謎を調べ始めるのです。

そしてタイトルの如くメンバーたちは次々に激流に巻き込まれていくのです。

ここがポイント

多くの謎がある中で、ミスリードあり、あっさりとした解決もありと、緩急がつけられているので、飽きることなく読み進んでいけます。

果たしてメンバーたちは、冬葉を見つけて、事の真相を突き止めることができるのでしょうか。

人間の運命のどうしようもなさを、少し考えさせられる作品です。

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まとめ

柴田よしき氏のジャンルを超えた作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

読書の楽しみがひろがりますよ。

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