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鳥飼否宇おすすめ8選をご紹介~奇想の炸裂した作品を描く~

奇想トリックの第一人者である、鳥飼否宇氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、18年の出版社勤務を経て、2000年に奄美大島に移住しています。

2001年に「中空」という作品が、第21回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞し作家デビューを果します。

そして、同作に連なる<観察者シリーズ>を各社で発表しています。

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鳥飼否宇おすすめ8選をご紹介~奇想の炸裂した作品を描く~

また一方で、『痙攣的』『官能的』『絶望的』『隠蔽人類』などを含む綾鹿市(あやかし)シリーズに代表される奇想に満ちあふれた作品を数多く発表しています。

別名義の碇卯人(いかりうひと)で、テレビドラマ「相棒」シリーズのノベライズも執筆しています。

2016年には「死と砂時計」という作品で、第16回本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞しています。

そんな鳥飼否宇氏のおすすめの作品8選をご紹介いたしますので、お楽しみ下さい。

1、『中空』

老荘思想を規範に暮らす、ひなびた七世帯の村で起きる殺人事件の話です。

めったに見ることができないという、竹の花を撮影するためにフォトグラファーの猫田は大学の先輩である鳶山と一緒に鹿児島の竹茂村を訪れます。

そこは約20年前に惨劇が起きていて、現在もその影を落としていたのです。

ここがポイント

閉鎖的な世界で巻き起こる事件、荘子や竹取物語、竹自体の蘊蓄もよく絡んできて、かなり読み応えが在ります。

読む者を翻弄する、謎解きのどれもが魅力的な作品です。

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2、『非在』

奄美大島の海岸に流れ着いた一枚のフロッピーから始まる事件の話です。

フロッピーの中には、ある大学のサークル一行が人魚を求めて伝説の島“沙留覇島”へ渡った調査記録や、殺人事件を告げるSOSが記録されていたのです。

絶海の孤島というクローズドサークルものであり、事件の渦中に巻き込まれるというものではなく、事件が終わった後に遺留品から真実を突き止めるという展開になっています。

ここがポイント

話はややこしいわりに展開が早くて混乱してしまいますが、すべてが明らかになった時の空恐ろしさもなかなか良く、ワクワクしてしまいます。

人魚、朱雀、仙人、蓬莱の島など面白い要素がタップリの作品です。

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3、『昆虫探偵』

昆虫が探偵となって、殺虫事件や昆虫世界の日常の謎、環境問題などを解決していく7編からなる短編集です。

ある朝目覚めると、ゴキブリになってしまった男が、熊ん蜂探偵事務所の助手となって、昆虫界の難事件を解決していきます。

ここがポイント

昆虫視点で事件を解決していくので、昆虫の生態を無視することはできなく、ある意味、残酷な昆虫の世界を垣間見ながら、多くの生態を知ることができます。

昆虫の生態を本格ミステリー風の謎という形で、エンターテインメントに仕立て上げた鳥飼氏の手腕に脱帽してしまいます。

推理と昆虫の生態とユーモアに溢れた、とても面白い作品です。

4、『樹霊』

舞台は北海道の日高地方最北部の古冠村、街路樹のナナカマドや巨木のハルニレが移動するという怪事件の話です。

アイヌの風習などの少々珍しい要素に、テーマパーク建設による乱開発や、土地の有力者と建設反対者との対立する人間関係が描かれています。

それに時を同じくして、村人の失踪事件や墜落死なども発生してしまいます。

そしてこの件に関わった撮影旅行中の猫田夏美が、助けを求めた観察者探偵の鳶山が鮮やかな推理を展開していき、解決に導いていくのです。

ここがポイント

謎とトリックが満載の本格ミステリー作品です。

5、『紅城奇譚 

戦国時代、残忍な暴君である鷹生龍政の居城である、紅城で次々に起きる悲劇を描いた話です。

正室の鶴が首のない死体で発見されたのを始まりとして、次々に怪死事件が起こってしまうのです。

しかし、重臣である弓削月之丞によって謎が解き明かされ、それぞれの事件の裏に隠されていたのは、壮絶な復習劇だったことがわかります。

ここがポイント

四つの事件をそれぞれに独立したミステリーとして完成させながら、最後に全体を通した謎を解き明かす鳥飼氏らしい趣向凝らした構成にまとめ上げています。

こういう舞台だからこそ成立する、終盤の展開が見事な作品です。

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6、『物の怪』

河童、天狗、鬼を題材にした、3編からなる連作短編集です。

あらゆる生物の知識に精通した観察者こと鳶山と、植物写真家の猫田が妖怪が絡んだと思える殺人事件に挑んでいきます。

ここがポイント

どの話も事件の概要がきちんと解明されるが故に、後にホラー的な余韻を残すことになり、堪らなく楽しめます。

そしてそれが超自然的な何かではなく、人の心の奥底に潜む深い闇を知らずに、のぞき見してしまったような味わいを感じてしまうのです。

何かに憑かれてしまった、人間の恐怖と悲哀を感じる作品です。

7、『死と砂時計』

世界各国から集められた死刑囚を収容するジャリーミスタン終末監獄を舞台に、青年アランと牢名主である老人のシュルツが怪事件を解決する6編からなる連作短編集です。

ユニークな設定を最大限に生かした謎に、どこか違和感を感じつつも、引き込まれてしまいます。

閉鎖空間の中で起きた奇妙な事件に、現実的な謎を見出す頭脳の冴えとトリックよりは、動機に重きを置いている感があります。

ここがポイント

いつか訪れる、終末を待ちつつも、そんな日常が続くのかと思いきや、最後の最後で持っていかれてしまいます。

想像もつかない展開に驚かされるラストです。

8、『隠蔽人類』

アマゾンの奥地で見つかった人類とは異なる遺伝子を持つ「隠蔽種」と呼ばれる人間の話です。

この「隠蔽種」に関わった人間たちが、各章で次々に惨殺されていく5章からなる連作短編集です。

それぞれの章で奇妙に解決したかのように見せかけて、新しい章でまた繰り返される惨劇に、今度はそう来たかと先が読めるようで読めない展開に翻弄されながらも楽しめます。

ミステリーとしてはかなり目新しいタイプですが、最後の5章だけはやけに唐突な事実が突きつけられてしまいます。

ここがポイント

大らかな気持ちで読むとメチャクチャ面白い作品です。

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まとめ

鳥飼否宇氏の作品のご紹介はお楽しみ頂けましたでしょうか。

奇想の炸裂した作品に翻弄されてしまうかもしれませんね。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

読書の楽しみが広がりますよ。

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