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坂井希久子おすすめ8選をご紹介~人間の弱さや奔放さを包む描写~

心を揺さぶる描写が魅力の坂井希久子氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、会社勤めを経て、プロの作家を志し上京します。

2005年に森村誠一氏が名誉顧問を務める、小説家入門山村教室に参加し、2007年度末に「思い出ひらり」という作品が山村教室年間最優秀賞を受賞し、2008年8月号の小説宝石に掲載されます。

そして2008年9月に「男と女の腹の蟲」という作品が、オール讀物新人賞を受賞し、その時、現役のSM嬢であることを自ら明かし、話題になりました。

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坂井希久子おすすめ8選をご紹介~人間の弱さや奔放さを包む描写~

一見、愚かで醜くもある、人間の弱さや奔放さを包む感情は、坂井氏の作品の根底に流れる優しさの裏返しなのです。

経験から生み出された人生観や、血の通った言葉の数々は、唯一無二のリアリティとして、心を激しく揺さぶってくるのです。

そんな坂井希久子氏の作品の中からも特に厳選した8選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。

1、『羊くんと踊れば』

30歳の女子高教師の薫が、お腹に刺青を残して死んだ祖父の謎を、元教え子の翠と共に追う話です。

祖父の死とその生活を調べるうちに、ニューギニア戦線の過酷な体験を共有する老人集団や、刺青を芸術と考え没頭する元東大医学性の美女や精力剤やアングラ劇団が絡み、耽美な世界に嵌りそうになってしまいます。

ここがポイント

祖父の行動の謎解きと薫と翠の恋話の二本立てのようなストーリーで物語は展開していきます。

現実と過去、現実と虚構の狭間で蠢いているような作品であり、いろいろな要素が入り混じっていて、不思議な感じを受けてしまう作品です。

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2、『泣いたらアカンで通天閣』

大阪の新世界にある下町の商店街のラーメン屋を舞台にした、人情と家族愛の物語です。

商店街のクソまずいラーメン屋「味よし」の店主で自由奔放な父のゲンコと、そんな父に時には腹立ちながらも離れられない娘のセンコ、そして彼らを取り巻く商店街の人々による濃密な関係が描かれています。

ここがポイント

血の繋がりよりも、気持ちでぶつかり合って築き上げた太い絆が溢れています。

悔し涙、悲し涙、嬉し涙とたくさんの涙を流しながら、センコは幸せをつかんでいくのです。

感動するのに、何故か笑えてしまう作品です。

3、『ヒーローインタビュー』

10年間1度もヒーローインタビューを受けずに引退した、プロ野球選手にまつわる話です。

タイトルもなし、お立ち台の経験もない、一軍と二軍を行ったり来たりの10年間を阪神タイガースの野手として過ごしてきた仁藤全。

たまに代打で登場するゼンこと仁藤全、彼を知る5人の人々によるインタビュー形式で、彼の人となりが明らかになっていきます。

ここがポイント

期待されて、プロ野球球団に入ったものの、選手としてはなかなか芽の出ないゼン、それでも諦めずに応援を続けている人がたくさんいて、その人たちにとっては、もう立派なヒーローだったのです。

熱く気持ちよく、読める作品です。

4、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』

居酒屋ぜんやシリーズ第一弾であり、美人女将のお妙と、美味しい肴目当てに客が集まる、神田花房町にある居酒屋ぜんやの話です。

そんなお客の一人である、旗本の次男坊であり、鶯に美声で鳴かせる飼育をする只次郎がお妙に思いを寄せて通ってくるのです。

美味しい料理を作るには、手間をかけるか、お金をかけるかしかありませんが、お妙の料理は珍しくはないけれど、キチンと手間をかけて作っているから、どれも温かくて美味しいのです。

ここがポイント

いつの時代も人は美味しいものと、聞き上手な女将さんのいるお店のおかげで、悩みが解決したり、明日への活力を養ったりするものなのです。

お妙の魅力に引き込まれた只次郎の今後に、期待が膨らみ次作が楽しみになります。

ほのぼのとした気持ちになり、少し謎解き要素もある作品です。

5、『ふんわり穴子天 居酒屋ぜんや』

居酒屋ぜんやシリーズ第二弾であり、今回も美味しそうな料理と、温かな気遣いや心配りなどの優しい話になります。

亡き夫が残したお店「ぜんや」を切り盛りする美人女将のお妙、そしてそこに入りびたりになってしまっている旗本の次男坊の只次郎。

ここがポイント

只次郎とお妙の仲はなかなか進展しませんが、前作に引き続き、美味しそうな料理と人情話は楽しめます。

背景にあるお妙の夫の死や、行方不明の又三を巡る謎は、まだまだ謎のままですが、どうやら黒幕らしき人物も特定されてきそうな気配が伺われます。

伏線が隠されているようで、今後の展開が楽しみな作品です。

6、『ころころ手鞠ずし 居酒屋ぜんや』

居酒屋ぜんやシリーズ第三弾であり、今回も色々な謎が散りばめられた話です。

お妙を想うが故の只次郎の嘘、しかし、その嘘がお妙との距離を遠ざけてしまうのです。

素直になれないお妙と、お妙が傷つかないようにしようと守る只次郎、些細なことで人間関係にヒビが入ってしまうのです。

ここがポイント

それでも美味しい料理が人々を笑顔にして、周りの人間関係をまるで手鞠ずしのように丸くしていくのです。

駄染屋は捕まり、又三殺しの犯人は分ったけれど、黒幕の佐々木様は一体何を企んでいるのだろうかと思ってしまいます。

次作で謎が明らかになるような気配が伺える作品です。

7、『愛と追憶の泥濘

27年間地味に生きてきた学校司書の莉歩が、結婚を夢見た理想の彼氏が、EDだったという話です。

しかもそのEDの原因には特殊な性癖があり、彼氏から別れを切り出されるのですが、手放したくない莉歩はある行動に出るのです。

優しい女性だと思っていた主人公、莉歩の結婚の為なら何でもしてしまう自己中心的な性格が、次々に浮き彫りにされて、後半はドロドロの展開になっていきます。

ここがポイント

愛のないマウントの取り合いのようなラストは、まさに泥濘(ぬかるみ)にはまったような感覚になってしまいます。

人の心が持つ二面性に、鋭く切り込んだ作品です。

8、『妻の終活』

典型的な昭和の夫婦が、妻の余命宣告をきっかけに、残された時間をどう過ごし、どう生きるかを描いた話です。

定年後も嘱託として、かっての会社に勤務している夫、家庭で面倒なことが起きると仕事を言い訳に回避して逃げて、家事は一切妻任せの昭和人間なのです。

しかし、妻が癌になり、余命宣告を受けたことで変わらざるを得なくなってしまうのです。

あれだけ、亭主関白で虐げられてきたにも拘わらず、まして、自分の命も残りわずかと分かっているのに、まだ尚、夫のその先を心配しているなんて、なんと素晴らしい人なんだろうと思ってしまいます。

しかし、それは特別なことではなく、その世代の妻たる人は、みんなそんな風に生きてきたのかもしれません。

ここがポイント

改めて家族、夫婦の事を考えなおす機会を与えてくれる作品です。

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まとめ

坂井希久子氏の作品のご紹介は、お楽しみいただけましたでしょうか。

たくさんの引き出しを持った坂井氏だからこそ、人間の心に響く迫力を感じてしまいます。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非この機会に読んでみてください。

読書の楽しみが広がりますよ。

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