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高杉良おすすめ作品8選をご紹介~経済・企業小説の名手~

綿密な取材に基づく描写の、高杉良氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきます。

大学中退後、業界紙である「石油化学新聞」に入社し、編集長にまでなるのですが、急性肝炎で入院してしまい、会社に負い目を感じたり、友人の勧めもあって、作家として身を立てることを決意します。

1975年に「虚構の城」という作品で、作家としてデビューを果します。

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高杉良おすすめ作品8選をご紹介~経済・企業小説の名手~

初期の作品は逞しく生きるサラリーマン像を描いたものが多く、時代を経るにつれ、よりダイナミックな起業家や経営者、組織の腐敗などにスポットを当てるようになったようです。

まだまだ元気な高杉氏であり、コロナ禍の現在でも、声をかけてくれる保育園児に会うのが楽しみで、自宅の近所を1時間以上かけて歩いているそうです。

また気になる国際情勢としては、領土的野心をむき出しにしている、中国の動向が気になるようです。

そんな高杉良氏のおすすめの作品8選をご紹介させていただきますので、お楽しみください。

1、『生命燃ゆ』

日本の高度成長期に、石油化学コンビナートの建設に奔走する技術者、柿崎の姿を描いた話です。

昭和電工の実在の人物がモデルとなっています。

一生懸命仕事に生き、家族も自分の命さえも顧みず仕事に没頭していた時代、確かに男にとって、仕事はある意味生きがいであり、生命を燃やす生き場所でもあったのです。

そんな彼も自らの身体が糖尿病に侵され、身体がボロボロになっても、周囲を気遣う姿がさらに痛ましさを増しています。

柿崎本人の仕事に取り組む姿勢はもちろんのこと、彼を支える妻や同僚、先輩たちの獅子奮迅ぶりにも感動してしまいます。

ここがポイント

昭和40年代、日本全体が意欲的で、活気があった時代の実話です。

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2、『炎の経営者』

大阪の小さな町工場から、一代で世界的な化学工業会社へと築き上げた八谷泰造の話です。

優秀な人材と見込めば、何としてもスカウトする姿勢、研究開発への積極的な投資、部下や家族を叱っても後でケアする気遣い、自らの足で難局の打開やその後の付き合いもする姿勢があったのです。

また初対面の財界重鎮の永野重雄を口説いたり、旧満鉄技術者をスカウトするなど、持ち前の大胆さと粘り腰の八谷は難題を乗り越え、会社を発展させ、ついには世界的な石油化学工業会社である「日本触媒」を築き上げたのです。

ここがポイント

経営に対するブレない信念、先見性、行動力、そして人に対する気配り、優しさ、義理人情が詰まった作品です。

3、『辞令』

大手家電メーカーの宣伝部副部長の広岡は、有能で人柄も良く、同期の中でも出世頭のはずだったのですが、突然、左遷辞令が下ってしまう話です。

出世街道まっしぐらの広岡は、左遷されることに全く身に覚えがなく、原因を調査すべく、社内外の関係者に接触を試みるのです。

そしてその結果、上司の妬みや、同族企業の腐敗に行き着いてしまいます。

異動先でも結果を出し、懲戒免職の危機にある同期を守り切るなどして、一部の経営層から好評価を得ます。

それでも、会長の鶴の一声で、昇進が叶わず、子会社への出向を命じられてしまうのです。

ここがポイント

一枚の辞令の裏側にある複雑な背景や、様々な人間関係をリアルに描写している作品です。

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4、『燃ゆる時』

マルちゃんでお馴染みの東洋水産の創業者である、森和夫氏の生き様を描いた話です。

インスタントラーメンの発案者は日〇食品の安〇百福氏と言われていますが、本当にそうだったのでしょうか。

マグロを取り扱う仕事から始まり、資金繰りに苦労しながらも、30年間社長として、東洋水産を率いてきたのです。

ここがポイント

社員を守り、会社を守るということに関して、絶対にブレないその心根に、いたく共感してしまいます。

経営のテクニックとか、人の使い方など、難しい面はかなりありますが、王道の経営というものは、こういうことだろうと思わせてくれる作品です。

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5、『金融腐蝕列島』上・下

バブル崩壊後の都市銀行における、いわゆる総会屋対策や債券回収に奮闘する銀行員の話です。

不良債権処理手口や、総会屋との攻防、霞が関官僚との癒着など、金融腐蝕の実態が克明に描かれています。

また、実名に近い登場人物や当時の政界再編の解説で、生々しさが強調されています。

ここがポイント

銀行の腐敗の原因が、権力者の公私混同、社内政治の横行といったものに、原因があることも描かれています。

金融機関だけでなく、日本の企業経営者は多かれ少なから、あてはまるのではないかと思ってしまいます。

現代の日本企業の病巣を抉り出した作品です。

6、『社長の器』

グローバル大企業の社長である冷徹な兄と、日本のメーカーの社長である温情暑い弟の二人の兄弟の対比を描いた話です。

全く性格の違う兄弟であり、同じ社長という立場で、全く違う経営手腕を発揮していきます。

冷血で高圧的であるけれども、企業を拡大させる能力に長けた兄と、従業員を大切にし、福利厚生を重視する弟。

果たしてどちらが社長の器として適しているのかを問いかけてきます。

ここがポイント

一つの事実を捉えるのに、こうも見方が違うのかという事を、まざまざと感じさせてくれる作品です。

7、『欲望産業』上・下

今は無き、消費者金融の武富士をモデルとした話です。

消費者金融の成り立ちから、消費者金融業界の行く末など、臨場感溢れる形で描かれています。

オーナー企業ならではの特徴かもしれませんが、無能なイエスマンの部下が取りたてられ、優秀な部下がどんどん辞めていく様子も滑落の一途を辿っていったのではないかと思われます。

サラ金のオーナーとして本作品に登場する里村(武富士の社長がモデル)はその悪役ぶりが見事にえがかれており、ハラハラしながらも、読むのを止められないという高いエンタテインメント性を持っています。

ここがポイント

消費者金融の絶頂期を克明に描き、その後の凋落を予言した傑作経済作品です。

8、『不撓不屈』上・下

税理士であるTKC創始者の飯塚毅氏に対する、国家権力による弾圧「飯塚事件」をメインテーマにした話です。

飯塚氏は会計事務所を経営しており、法に沿った形で顧客の節税、制度などに助言を行っていたのです。

ある時、飯塚氏が考案した「別段賞与」という制度に対して、国税庁が文句をつけてきて、飯塚会計事務所の顧客への立ち入り調査等で圧力をかけてきたのです。

そして国家権力の圧倒的な怖さを目の当たりにしてしまうのです。

ここがポイント

しかしそれに屈することなく、自分の信念と正義を貫いたその精神力には感動してしまいます。

まさに不撓不屈のタイトルにふさわしい作品です。

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まとめ

高杉良氏のおすすめの作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。

リアリティ感たっぷりのストーリー展開を満足していただけると思います。

まだ、読んでいない作品ありましたら、是非この機会に読んでみて下さい。

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