記事内に広告が含まれています。

おすすめ本 エッセイ 感動もの 短編 自己啓発

宮本輝おすすめ10選をご紹介~人生に勇気や希望を与えてくれる~

筋の面白さで読者を虜にする、宮本輝氏のおすすめの作品10選をご紹介させていただきます。

大学卒業後、コピーライターとして働くのですが、20代半ば当たりから、現在でいうところのパニック症候群、当時の呼称で不安神経症に苦しんでいて、サラリーマン生活に強い不安を感じていました。

それから小説を書き始めるのですが、数年は目が出ず、生活はますます苦しくなっていくばかりでした。

しかし1977年に自身の幼少期をモチーフにした「泥の河」という作品で、第13回の太宰治賞を受賞して作家デビューを果します。

そして、その翌年には「螢川」で第78回の芥川賞を受賞し、作家としての地位を確立していきます。

スポンサーリンク

宮本輝おすすめ10選をご紹介~人生に勇気や希望を与えてくれる~

宮本氏は読者の為に心掛けていることがあり、その第一は、分かり易く書くこと。

第二は、辞書を引かねば分からないような難解な単語や熟語は使わないこと。

そして第三は、絶対に健全でなければならないことだそうです。

暗い小説は嫌いであり、自分の作品がその人の人生に、勇気や希望を与える物語でありたいと思っているそうです。

折角長い、長い小説を読んできて、最後にみんなが不幸になったり、別れ別れになったり、幸福な人まで地獄の底でうごめいているような物語は読みたくないそうです。

やはり、物語はめでたし、めでたしがいいそうです。

そんな宮本輝氏のおすすめの作品10選をご紹介させていただきますので、お楽しみ下さい。

1、『螢川・泥の河』

まだまだ戦争の傷跡が残る昭和30年代の大阪と、北陸は富山が舞台となっている貧しくも逞しく生きる人たちの話です。

富山の中学生である竜夫が父のことや友の死、初恋を描いた、芥川賞受賞作の「螢川」、大坂の川沿に暮らす小学生の信雄が、舟の上で生活する母姉弟との交友を描いた太宰治賞受賞作の「泥の河」の2編が収録されています。

大坂と富山の二つの川面は、激動の彼らを偽ることなく、鮮やかに映し出しています。

ここがポイント

季節感のある情景描写が、まさしく古い映画を観ているような感覚に陥ってしまい、美しい余韻が残ります。

どちらの作品も、心情に訴えかける表現に富んだ素晴らしい作品です。

新潮社
¥506 (2024/04/25 18:40:27時点 Amazon調べ-詳細)

2、『幻の光』

人生の哀しみといとしさを描いた、4編からなる短編集です。

どのような人であっても、どんな生き方をしても、命の底に流れているものは、同じで違いがないのです。

「幻の光」では家族の、「夜桜」では女性の、「こうもり」では男女の、「寝台車」では仕事のそれぞれの転換点を描いているように思います。

生きることと死ぬことの境目は、どこにあるのだろうかと考えさせられてしまいます。

ここがポイント

昭和ですが、古臭くない瑞々しい感情表現に、心を揺さぶられてしまいます。

心地良い疲労感と充実感の両方が味わえる作品です。

¥506 (2024/04/25 18:40:28時点 Amazon調べ-詳細)

3、『錦繍』

離婚した二人が偶然出会い、その後の手紙のやり取りが綴られた話です。

離婚して10年が経ち、蔵王のゴンドラの中で偶然再会したのをきっかけに、元妻が元夫へと手紙を書き始めます。

往復書簡を通して見えてくる過去、そして現在、そこにはたくさんの「もし」や「たら」が溢れていたのです。

あの時出逢わなければ、行かなければ、聞いておけばなど、全て過去の出来事が後悔のような出来事に変化しているのです。

始めは悔恨と恨みにがんじがらめになっていた両者だったのですが、少しずつ過去の隙間を埋めて現在の様子が分かってくると、手紙の雰囲気も変化していくのです。

生きる事とは、死とは、業とは何なのか、手紙を通じて2人は生きる事、そして未来へ目を向け始めるのです。

ここがポイント

心が変わっていく様に、静かな感動を呼ぶ作品です。

4、『命の器』

宮本氏がこれまでどんな人生を歩んできて、何を感じたのか、どんなストーリーがあって多くの作品が生み出されてのかという事が分かる作品です。

「どんな人に出会うかは、その人の命の器次第。」こう言える宮田氏はこれまでにいくつもの素晴らしくて、貴重な出会いがあったと思います。

ここがポイント

素直な想いが伝わるエッセイであり、現代の若者が忘れてしまっている大切なものが、随所に散りばめられています。

自分のことを見つめ直すことができる作品です。

講談社
¥693 (2024/04/25 18:40:29時点 Amazon調べ-詳細)

5、『流転の海』

流転の海の第1部であり、戦後間もない大坂を舞台にした、松坂熊吾という豪胆な男の生きる姿を描いた話です。

モデルは宮本氏の父だそうで、全9巻にも及ぶ大河小説の最初の巻は、熊吾の人となりや、人生観といったものが、色濃く出ています。

ここがポイント

無茶苦茶だと思わせる激情的な一面を見せたかと思えば、獣的に鋭く人間を見透かす炯眼に感服させらりたりと、豪快な人物像に目を見張ることになります。

最後の翻意もある意味らしいのですが、熊吾の活力と人間臭さが読んでいても飽きることなく、物語の先が気になってしまいます。

50歳にして初めて授かった子供を胸に、熊吾がこの先どんな人生ドラマを見せてくれるのかが、楽しみな作品です。

6、『優駿』上・下

一頭のサラブレッドが生まれ、ダービーに出るまでの四年間を、その馬に人生を賭けた五人の視点で描いた話です。

疾走のみを求めて作り上げられたサラブレッドの成長の陰に、脱落すれば未成馬のうちから、即処分されるという過酷な定めが待ち受けているのです。

駿馬の創造に巻き込まれ、華やかで無頼と言う情念の世界に生きる人々も、共に翻弄されていくのです。

ここがポイント

自分の人生を振り返り、新しい事業や将来の夢に対する心の葛藤を、ダービー優勝を目指すサラブレッドを軸に一人ひとりを見事に描ききっています。

迫真のレース経過の描写に胸が躍り、読後の満足感と余韻が心地よい作品です。

¥624 (2024/04/26 06:44:57時点 Amazon調べ-詳細)
新潮社
¥880 (2024/04/25 18:40:30時点 Amazon調べ-詳細)

7、『流転の海 第2部 地の星』

流転の海の第2部であり、今回は松坂熊吾の郷里である愛媛の南宇和が舞台で、様々な騒動に巻き込まれる話です。

病弱な息子の伸仁を強く育てるために、郷里である南宇和に帰ります。

自然の中で、次第に逞しく育つ息子を見つめつつ、友人となった男の選挙参謀の任に忙殺され、ヤクザな幼馴染とは、その幼い時の因縁に決着をつけるのです。

ここがポイント

無念にも志半ばで死んでいく人々の想いを託されつつ、故郷への感傷を振り払い、再び大阪へ帰ることを決意するのです。

熊吾の波乱万丈な人生、これからもますます楽しみな作品です。

8、『流転の海 第3部 血脈の火』

流転の海の第3部であり、舞台は再び大阪に戻り、熊吾一家にも復興期という時代の大波が押し寄せる話です。

大阪に戻り、熊吾はいくつかの事業を起こし、商人の街でしたたかに、生き抜いていきます。

地べたの視線での街並みの復興や、経済そして当時の小学校の様子、ヤクザ等、つぶさに表現されています。

熊吾の無茶苦茶な父親ぶりもあってか、息子の伸仁も似なくてよいところまで、父親似となりそうな予感がしてしまいます。

伸仁が成人するまでとふんばる熊吾は、復興期に入った社会状況を迎え出て、その発想も行動も感情も振幅の幅が大きく難儀な男ですが、何故だか憎めないのです。

ここがポイント

昭和のオヤジの猛威を楽しめる作品です。

9、『月光の東』

出張先のカラチで自殺を遂げた友人のことがきっかけになって、明らかになっていく、謎の美女である塔屋米花の半生の話です。

作品に登場する男たちは、ことごとく米花に惹かれていて、それは米花の外見的な美貌は勿論のこと、ゆるぎなき決意だったり、賢明さだったり、淫蕩の奥にある清明さだったりが、男たちを惹きつけて揺さぶるのです。

そして、米花と関わった人たちの語りが、次第に米花の人生を明らかにしていくのです。

果たして「月光の東まで追いかけて」という言葉を残して、消えた塔屋米花は、、、、。

ここがポイント

様々な人間関係が交錯するその人生において、人との繋がりや縁についても考えさせられる作品です。

10、『草原の椅子』上・下

遠間憲太郎と富樫重蔵の中年男性二人を軸に、夫婦関係、親子関係、友達関係等さまざまな人間関係をテーマにしたエピソードが散りばめられています。

一つのものを見て、同じ次元で興味を持ち、理解し合えることは、平凡なことのように見えて、稀なことなのです。

だからこそ、親友と話している時のこころの安らぎや豊かさは得難く、そんな親友を持つことができれば、人生とても幸せであると思います。

人は内面に辛い思いを隠して、その場その場を生きていかなければならないのです。

心の動きを変えるだけで、いや、あるきっかけで誰でも変わることができるのです。

日本という国への不満、政治への不満、将来への不安など、時折語られる熱いメッセージは物語の場を借りた宮本氏のメッセージとも受け取れます。

ここがポイント

胸を打つたくさんの言葉に、出会える素晴らしい作品です。

スポンサーリンク

まとめ

宮本輝氏の作品のご紹介は、お楽しみ頂けましたでしょうか。

人生に勇気や希望を与えてくれる言葉がいっぱい詰まった作品を、是非この機会に読んでみて下さい。

読書の楽しみが広がりますよ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

-おすすめ本, エッセイ, 感動もの, 短編, 自己啓発

© 2024 サスペンスLIFE