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【2022年最新版】おすすめミステリー小説26選をご紹介

2022年、最新のおすすめミステリー小説26選をご紹介させていただきます。

毎年、数多くののミステリー小説が発刊されています。

ミステリーファンの読者の皆様方にとっては、嬉しいことなのですが、どの作家のどういう作品が、面白いのか興味が湧くところだと思います。

そんな皆様に少しでも参考にしていただきたく、当サイトが、売れ筋ランキングで上位のものや、文学賞を受賞したものの中から、厳選して26選をご紹介させていただきます。

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【2022年最新版】おすすめミステリー小説26選をご紹介

ミステリー小説の醍醐味である、謎解き、トリック、どんでん返しなど、楽しめる内容がたくさん詰まっています。

家に閉じこもることが増えた昨今ではありますが、読書をすることで、家での楽しみの時間を増やしていただければ、幸いです。

どうぞ、素晴らしい作品をお楽しみください。

1、『黒牢城』 米澤 穂信

戦国時代、信長に対して反旗を翻し、有岡城に籠城していた荒木村重と、村重を説きに来て、捉えられ牢に入れられた黒田官兵衛をめぐる約一年の物語です。

城内で奇怪な事件が起きると、村重は手燭を持って官兵衛がいる土牢に行き、官兵衛との会話からヒントを得て事件を解決していくのです。

四面楚歌で状況が好転しない緊張感と、彼らの推理が歴史を動かしていくところが、圧巻の一言に尽きます。

ここがポイント

史実に基づいたストーリーに、ミステリー要素を入れ込むことで、エンタメとしても楽しむことができます。

第166回の直木賞受賞作品です。

2、『塞王の楯』 今村 翔吾

関ヶ原の戦いの勝敗にも影響を及ぼした、石垣職人の最高峰である「塞王」の屋号を持つ職人が築いた石垣と、鉄砲職人の最高峰の「砲仙」の屋号持つ職人が作った大砲が、大津城の戦いで激突する話です。

高い抑止力(石垣)で、戦うことを諦めさせるか、圧倒的な攻撃力(鉄砲)で、戦いを終わらせるかの攻防になります。

それぞれ共に戦の無い世を目指す職人たちの矜持と、矛盾を描く展開は、最初から最後まで目が離せなく、飽きることはありません。

ここがポイント

武士にも引けを取らない職人集団の熱い戦いと、職人らと同じく信念を貫く立花宗茂、京極高次の戦いは見ものです。

穴太州の無敵の石垣と、国友洲の無敗の鉄砲の矛盾対決を通し、壮絶な熱量で描きあげた歴史的大作です。

こちらの作品も第166回直木賞受賞作品になります。

3、『変な家』 雨 穴

住宅の間取り図のちょっとした違和感を調べていくうちに、恐ろしい事実が次々と明らかになっていく話です。

不自然な空間、窓のない浴室や部屋、二重扉で塞がれた子供部屋等、怪しすぎる一戸建ての間取り図をもとに、主人公のオカルトライターと設計士がその真相を暴いていくのです。

ここがポイント

所在不明の住民と、家系を調査していくことにより、思わぬ繋がりが判明し、忌まわしい過去の出来事が、明らかになるという展開に驚きを隠せません。

間取りの謎から不気味な物語へと広がっていく、新ジャンルのミステリー作品です。

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4、『透明な螺旋』 東野 圭吾

ガリレオシリーズの第10弾であり、今回は物理学は関係なく、「出生の秘密」に絡む事件を湯川の推理で解決に導くという話です。

房総沖で発見された男の遺体と、失踪したその恋人の行方をたどる関係者として、湯川の名が浮上してくるのです。

複雑に絡み合った血のつながりというものが、事件へと繋がり、驚くことに湯川の出生の秘密まで明らかにされてしまうのです。

ミステリー性に関しては、今までの作品よりも、少し弱いかなと思いながらも、事件の解決に至っては、やはり無駄のないスピーディな展開で、満足できます。

ここがポイント

生みの親と育ての親、血の繋がり等、考えさせられる作品です。

5、『元彼の遺言状』 新川 帆立

弁護士の剣持麗子が、「自分を殺した犯人に全財を譲る」という、奇妙な遺言状により、元彼が残した数百億の遺産を勝ち取るべく奔走する話です。

プライドが高く、自分の欲望にあくまでも素直な敏腕弁護士の麗子は、元彼の奇妙な遺言状を巡って、身体を張っての頭脳戦を繰り広げたり、逮捕までされる大立ち回りを演じたりします。

ここがポイント

犯人を見つけるのではなく、仕立て上げるという法律家の手腕にも感心し、更に事件を解決してしまう敏腕にも感心してしまいます。

傍若無人な麗子のキャラに引っ張られて、予想外に物語が展開していく様が、面白い作品です。

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6、『硝子の塔の殺人』 知念 実希人

雪の中に聳え建つ、円錐形の硝子の塔に集められたゲストたちが、殺人事件に巻き込まれる話です。

大富豪でミステリマニアの神津島が建てた硝子の塔で、重大発表があると様々なミステリマニアが招集されるのですが、招集した神津島本人が殺されてしまうのです。

そしてその後も、館では次々に密室殺人が続いてしまうのです。

名探偵の碧月夜とワトソン役の一条遊馬は、次から次に起きる殺人事件の謎を解こうと奮闘していきます。

ここがポイント

奇妙な館、クローズドサークル、連続密室殺人、数々の伏線、読者への挑戦、有名作品へのオマージュ等、これでもかという位の本格ミステリが楽しめる作品です。

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7、『テスカトリポカ』 佐藤 究

抗争に敗れたメキシコの麻薬カルテルの幹部、バルミロが、日本人の臓器ブローカーと出会い、日本を舞台にした新たなビジネスを立ち上げる話です。

本作はアステカ神話をモチーフに、メキシコ麻薬戦争から日本の臓器売買ビジネスへと闇の世界を描いたクライムノベルです。

メキシコの麻薬ビジネスに君臨していたバルミロは、敵対勢力に兄弟家族を皆殺しにされ、かろうじてインドネシアに逃れます。

そしてその地で日本人の闇医師、末永と出会い、心臓に共通項を持つ二人が、心臓売買という新たなビジネスを立ち上げていくのです。

ここがポイント

現代の麻薬戦争、臓器売買とアステカ神話の神事が混ざりあって、全体に理不尽な暴力とグロテスクな描写が、これでもかと散りばめられています。

展開はゆっくり、じっくりと進んでいきますが、結末では、それまで積み上げられた重厚な内容が、一気にはじけ飛ぶ爽快感が感じられる作品です。

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8、『護られなかった者たちへ』 中山 七里

震災から立ち直りつつある仙台で、誰からも善人として慕われる者が連続して、餓死させられる殺人事件が発生する話です。

生活保護受給を伏線に、怨恨連続殺人を冷静な筆致で描きながら、天災と人災、護られた人と護られなかった人の命の格差を訴えています。

ここがポイント

その線引きは、特に天災においては、危うく不鮮明なものであるにもかかわらず、それに反し生活保護に関していえば、国家予算や制度の制約の中で、ひとが判断をして、決定してしまうのです。

社会的、或いは家族的に非の打ち所がない善人であっても、職務においては思考を放棄し、相手の身になることを意図的に避けて、業務を滞りなく遂行してしまうものなのかと思ってしまいます。

まさしく、現代社会にメスを入れる作品です。

9、『あの日、きみは何をした』 まさき としか

連続殺人事件の容疑者と間違われて事故死した中学生の事件と、その15年後、若い女性が殺され、重要参考人の不倫相手が失踪する事件、これら二つの無関係に思える事件が繋がっていく話です。

時も人も繋がらないはずの二つの出来事が、事故死した中学生の「あの日」を起点に、唐突に思えたエピローグまでを抱き込んで、一つの流れに溶けていってしまうのです。

ここがポイント

強い想いは愛を守りますが、強すぎる想いは愛を歪めてしまうものなのです。

母親たちの妄執の中に、自然と内面化してきたその役割意識の残酷さを感じてしまいます。

「あの日、君は何をした」、まさに絶妙なタイトルです。

10、『運転者 未来を変える過去からの使者』 喜多川 泰

仕事が上手くいかない焦りと、苛立ちをかかえる主人公、修一が、未来を切り開くためのヒントを出してくれるタクシーに乗る話です。

仕事が上手くいかない修一は、不思議なタクシーに乗り、「いつも上機嫌でいると、運が良くなる」と助言されるのですが、すぐに不機嫌になってしまうのです。

しかしこの運転手との出会いがきっかけとなり、修一の物事に対する考え方や、価値観が変わり始めていくのです。

ここがポイント

起こったことをポジティブに受け止める、プラス思考の姿勢でいけば、自ずと運が貯まり、運気が上昇するのです。

悪いことを人のせいにせず、毎日を楽しんで、明日から頑張ろうという気持ちにさせてくれる作品です。

11、『アルファベット荘事件』 北山 猛邦

雪山のクローズドサークルとなった、アルファベットのオブジェが散らばる山荘で起きる、不可能犯罪を描いた話です。

空の状態から何かを生み出すと言われる、「創世の箱」から突然現れる死体、アルファベットのオブジェに隠された謎など、推理すべきトリックは、物理の北山を彷彿させます。

また北山氏には珍しく、事件の背景に潜む、少年と少女の出会いと別れの物語が、もの悲しい雰囲気のある幻想感を醸し出しています。

ここがポイント

大胆なトリックだけではなく、静謐な雰囲気も描きだしている作品です。

12、『予言の島』 澤村 伊智

高名な霊能者、宇津木幽子が遺した、予言が伝わる瀬戸内海の孤島、霧久井島で起きる連続殺人の話です。

悪霊に祟り殺されたとされる霊能者である宇津木が予言した日に、慰安旅行を兼ねて訪れた雨宮たちが、殺人事件に巻き込まれてしまうのです。

一人の霊能者が遺した予言が、全ての始まりだったのです。

言葉に宿る呪力と呪縛に絡めとられる人々、予言の島で、事件が起きた時、山から怨霊が下りてくるのです。

ここがポイント

ホラーというよりはミステリー色が濃く、物語のあっちを見破った気になれば、こっちを見過ごしてしまう、予期せぬところからそれは襲いかかってくるのです。

ホラー要素満載のミステリー作品です。

13、『野良犬の値段』 百田 尚樹

ネット上に突然出現した「誘拐サイト」が、6人のホームレスを人質に、関係のない新聞社やテレビ局へ身代金を要求する話です。

果たしてそれは本当の誘拐なのか、狂言ではないのか、身よりもなく、社会から見放された人々の命に価値はあるのだろうか。

ここがポイント

偽善的なマスメディアの態度や世論の変化など、現代社会への風刺もそれとなく、示唆しているように思います。

二部構成になっていて、一部では、不明の冷徹な犯人像を予測させ、二部では、明らかになった犯人に思わず共感させられてしまうのです。

命の価値を問いかける、重いテーマを扱っている社会派ミステリー作品です。

14、『兇人邸の殺人』 今村 昌弘

屍人荘の殺人シリーズの第三弾であり、今回は兇人邸というテーマパーク園内に聳えたつ、異様な建物にある斑目機関の資料を探しに向かった葉村と比留子が、殺人事件に巻き込まれる話です。

二人は深夜、依頼主たちと共に兇人邸に侵入するのですが、そこには研究成果である異形の存在による、無慈悲の殺戮が待ち受けていたのです。

そこには斑目機関の人体実験で、凄まじい身体能力を持った巨人が誕生していたのです。

ここがポイント

巨人の攻撃から逃れ、脱出するために、協力するはずのメンバーの中で、殺人が行われてしまうのです。

パニックホラーでもある、ミステリー作品です。

15、『忌名の如き贄るもの』 三津田 信三

刀城言耶シリーズであり、戦後から10年経った昭和中期、農村に伝わる、おどろおどろしい因習を絡めた殺人事件が発生する話です。

忌名の儀礼が伝わる山村で、その儀礼の最中に起こってしまった殺人事件の謎に、お馴染みの怪奇探偵作家にして迷探偵の刀城言耶が挑んでいきます。

古くからのしきたり的な空気から、不気味に湧き上がる謎と、その奥に潜む怖ろしい真相に慄いてしまいます。

民俗学的な家と村の秘密の解明と連動して、ミステリーとしての謎解きも秀逸です。

ここがポイント

謎解きの気持ちよさと、ホラーの薄気味悪さが入り混じった、奇妙な読後感が味わえる作品です。

16、『雷神』 道尾 秀介

昭和の終わりの混乱した時代、一家に起こった辛くて悲しい出来事、それらが尾を引き、30年後に再び惨劇が起きる話です。

小料理屋を営む幸人には、娘の夕見には知られてはならない秘密が、あったのです。

その秘密は一本の脅迫電話が切っ掛けとなり、真相を解き明かすべく、幸人は姉と娘とともに、30年の時を経て、因習残る故郷へと、向かうのです。

ここがポイント

誰もが誰かを守りたかっただけなのに、行き着く真実はなんと残酷なのだろうか。

救いのない話ではありますが、それでもふとした瞬間に描かれる家族のやり取りに、優しさを感じられるのが救いとなります。

それでも、結末で完全にやられてしまう作品です。

17、『同志少女よ、敵を撃て』 逢坂 冬馬

復習を果す為、女性狙撃手として戦地の真っただ中に赴く、女戦士セラフィマと仲間たちの話です。

第二次世界大戦中、ナチスドイツに対して、ロシアの女狙撃兵として戦ったセラフィマ。

家族を殺され、村も失った彼女に残された道は、ドイツへ復讐することだけが、生きがいだったのです。

その事だけを糧にして、同じ境遇の女兵士たちと共に戦場へと立ち向かっていったのです。

仲間と深まる絆に反して、薄れていく人を殺すことへの罪悪感と、嫌悪が対照的に描かれています。

何故、戦わなければいけないのか、セラフィマの心情の変化と、その先を追わずにはいられなくなります。

ここがポイント

史実であるが故に、胸を抉られる想い、そして戦争の理不尽さと、人間の愚かさを思い知らされる、凄い作品です。

18、『正欲』 朝井 リョウ

多様性が叫ばれるようになった世の中で、さらにその外側にいる、人間の心情を切り取った話です。

現代はマイノリティの中のマジョリティのことを、多様性として受け入れている状態であり、もっといろいろなマイノリティがあると思われます。

ただ相手の言い分を聴いてあげたり、相手に寄り添ってあげるということだけではなく、相手のことを理解しつつも、何もせずそのままにしとくという事も、相手にとっては、ありがたい行為なのかも知れないのです。

ここがポイント

自分が見ている世界が、他の人が見ている世界と、同じとは限らないのです。

そんな当たり前のことが忘れがちになっていて、自分と違う世界に生きる誰かを、無意識に傷つけてしまう瞬間がきっと自分にもあるのだろうと思うと、少し恐ろしくなってしまいます。

誰しも己の異常を抱えながら、己の欲求と向き合い、生きていることが分かる作品です。

19、『スモールワールズ』 一穂 ミチ

親子、兄弟、夫婦の自己決定と赦(ゆる)しを描いた、6編からなる短編集です。

どの作品も、いわゆるメリーバッドエンドであり、登場人物たちが裏切られたり、傷つけられたりするのですが、自分だけの小さな世界で、幸せを感じ瞬間が、丹念に描かれているのです。

どうにもならない現実の中に、ささやかな希望を見出しながら、生きていこうとする登場人物たちのの姿が伺えるのです。

ここがポイント

現実は劇的に良くなるわけではありませんが、後ろ向きだった昨日までとは、違うんだと思わせてくれます。

ゾワッとするようで、ホッコリするような楽しめる作品です。

20、『夜が明ける』 西 加奈子

俺とアキの思春期から33歳までの苦悩に満ちた、それぞれの人生と友情を描いた話です。

貧困、虐待、奨学金、ブラック企業、ワーキングプア等、現在の社会問題がてんこ盛りで、目を背けたくなりますが、目が離せなくなります。

ここがポイント

心が病むほど働いても、何も残らない、でも働かなければ生きてゆけないのです。

そしてそこから抜け出そうと懸命にあがいた人たちも、かろうじてギリギリの線の上で、頑張り続けているのだから、均衡を崩したら、たちまち貧困へと舞い戻ってしまうのです。

負けてしまうことは、本当に、いけないことなのだろうかと思ってしまいます。

明けない夜はなく、夜は必ず、明けるのです。

西加奈子氏、渾身の作品に感動です。

21、『琥珀の夏』 辻村 深月

ミライの学校という、子どもだけで寄宿舎生活を送る学び舎の跡地で、子供の遺体が発見され、その謎に迫っていく話です。

親と離れて暮らし、子どもの自主性を育むことを理念とした、ミライの学校は一見、素晴らしい教育をしているように見えて、そこの世界しか知らない子どもたちに、偏った価値観や思想感を植え付けていたのです。

結局は、大人の意志決定で、その子どもの人生が、左右されてしまっていたのです。

子ども同士(特に女の子)の繊細な心理描写が、本当にリアルで、ヒサちゃんを許せないと思ったミカの心の揺れ動きがとても伝わってきました。

ここがポイント

ミステリー要素も含んだ、圧巻の最終章に涙がこみ上げてくる作品です。

22、『あと十五秒で死ぬ』 榊林 銘

かなり荒唐無稽な設定の「15で死ぬ」をテーマとした、4編からなる短編集です。

どの話も確かに、15秒で死んでいるのに、設定や展開、テイストにバラエティ要素があって、既視感を感じることなく、トリッキーな制限が売りのキワモノには終わらないのです。

ここがポイント

15秒という有限の時間を無限の可能性へと変換し、無駄なく構成してみせる、恐るべき筆者の手腕が伺えます。

残された15秒で何ができるのかというテーマで作られた、それぞれ持ち味の違う優れた作品を超えた、特殊設定ミステリーです。

23、『六人の嘘つきな大学生』 浅倉 秋成

就職戦線の中、成長著しいIT企業の最終面接に残った6人の学生が、一つの椅子を懸けて、最終グループディスカッションで起きる前代未聞の事件の話です。

ここがポイント

人は立場によって変わるものであり、交流、協働から得られた信頼が、簡単に崩されていくことが分かります。

物語は真実と嘘が巧妙に絡み合いながら、展開されていき、人が持つ根幹的なところに踏み込む様など、就活生への両面性への描写が分かり易くて、圧倒されてしまいます。

現代日本の採用制度を痛烈に皮肉った、就活ミステリー作品です。

24、『正体』 染井 為人

脱獄した18歳の少年死刑囚が、潜伏先で出会った人たちとの交流を描いた話です。

現場での日雇い、在宅ライター、旅館の住み込み、そして介護老人施設の介護人として、逃亡生活を送るのですが、各所で危険を冒しながらも、人助けを繰り返していくのです。

果たして彼が逃亡する目的は何なのか、彼は本当に一家3人を惨殺した、殺人鬼なのか。

ここがポイント

時には泣きたくなるような優しさを感じ、時には耐え難い怒りを感じ、こんなにも真直ぐな青年の人柄と原動が、何故、警察や弁護士には届かなかったのだろうと思います。

真実にたどり着いた時の慟哭、希望と虚無のラストに心が震える作品です。

25、『ミカエルの鼓動』 柚月 裕子

医療ロボット、ミカエルを扱う心臓外科医の西條とドイツ帰りの天才外科医の真木が、難病の少年の治療方針をめぐって、対立する話です。

現代医療はテクノロジーの進化と共にあると言っても過言ではなく、高度なものでなくても、検査、治療、薬等、皆、恩恵にあずかっているのです。

医療支援ロボットの普及と、推進によって将来の平等な医療を目指す西條も、天才的な技術で目の前の命を救うことを第一とする真木も、どちらも間違っておらず、どちらも誠実なのです。

ここがポイント

ロボットを使おうが、ゴッドハンドであろうが、医療に確実はあり得ないのです。

真木の生い立ちや、西條の医師としての矜持は胸に響くものがあり、読み応えのある深い人間ドラマ作品です。

26、『探花ー隠蔽捜査9-』 今野 敏

隠蔽捜査シリーズの第九弾であり、神奈川県警刑事部長となった竜崎が横須賀で起きた殺人事件を追う話です。

米軍基地を抱える横須賀で起きた殺人事件に対しても、竜崎は地位協定を盾にして、強硬姿勢を取ろうとする米軍関係者にも怯まないのです。

そしてただ事件を解決に導くという目的の為に、真っ当な道を貫こうとする一途な姿は、次第に周りを味方に変えていくのです。

ここがポイント

キャリアの足の引っ張り合いにも興味を示さず、出世はただ権限を持って、仕事をやりやすくするための手段と心得る竜崎の潔さが光ります。

新たなキャラクターも登場して、この先がますます楽しみな作品です。

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まとめ

人気がある、おすすめのミステリー作品は、お楽しみ頂けましたでしょうか。

まだ読んでいない作品がありましたら、是非、この機会に読んでみて下さい。

そしてミステリーに思う存分ハマって下さい。

読書の楽しみが広がりますよ。

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